父のこと、少し
とあるブログを見ていて思い出した。
まだ実家で働きながら暮らしていた頃。
父はなぜかYouTubeで東日本大震災の津波動画を見ていた。
何度も何度も。毎日毎日。何かに憑かれたように見ていた。無表情で、何も言わずに。
正直、機械のようで怖かった。何という現象なのだろうか。
また、生々しい話、いわゆる「おかず」になる動画サイトの履歴が、家族共用のパソコンにそのままになっており、そういったことを隠す能力が無くなってしまったようだ。
父は感情というか優しさというものがすっかり消えていた。何を考えているか分からない表情が無く、少しでも批判すると爆発してしまう。
父は夜驚症にもなっていた。しかし、母はこのことを笑うだけで、私は夜中突然叫ぶ父の怒鳴り声に恐怖するのだ。よく、警察を呼ばれなかったものだ。
朝は魂が抜けたようにウトウトしていて、時間が来たら仕事に行く。顔から人間の表情が消えている。機械が動いているようだった。
これだけ酷くても、父は精神科に行っていないようだった。眠剤以外を飲んでるのを見たことがない。
我が家は母が全てだったので、気がつかなかったが、今思えば精神科に連れて行かなかったことが悔やまれる。大人の話に首をつっこむなと言われたのだから、私が関わることではない。そこまで巻き込まれることも無いだろう。幼い頃家庭を保つのに散々だったのだから、離れてもいいだろう。助けることは、また親を依存させるだろう。うちは幸せだと勘違いさせたままになるだろう。しかし、それは違う。散々暴力を振るって虐待して面倒を見させて家庭が安定していたことを最期に悔やんで欲しい。悔やむ力があるならば。
散々パチンコ、酒、女に走り、母の家庭内暴力の原因を作った父だった人は、魂が抜けて死にながら機械のように生きていた。今は知らない。
これって生きていると言えるんだろうか?
ま